赤ワインのしみをお直ししました

お客様より、他店で断られた赤ワインのしみを落とせるか、ご相談いただきました。
赤ワインはしみ抜きをするのが大変難しい成分になります。

他のしみであれば、「付いて間もなければ簡単に落ちますよ」と言えるのですが、ワインじみはそう簡単にはいきません。
そのため、お着物を拝見していない状態で、綺麗に落とせますとはお伝えできませんでした。

譲り受けた思い入れのあるお着物で、どうしても直してご着用したいとのことでした。
染め替えなどの再生加工もお伝えしましたが、「できれば色目は変えずになんとかしてほしい」と言われました。
お電話ではお着物の実際のしみの状態もわからないので、お送りいただきました。

着物の袖に付いた、ワインじみ

画像は袖になりますが、しみは他部分にも多数ありました。
かなり大きいワインしみでした。

赤ワインは色素が生地に沈着するため、色を抜く作業が必要になります。
そのため、しみ抜きをした後に、色を掛けて着物の地色を整えなければなりません。
このサイズになりますと、しみ抜き後の色補正がとても難しくなります。

お客様へは、一度すべてしみ抜きを行い、跡が残る部分へ柄を描き足すという流れで、了承を得て、しみ抜きを致しました。
そして、しみ抜き後に、再見積もりすることに。

着物のワインじみのしみ抜き作業後

幸い、着物の地色をそれほど損なうことなく、しみを抜くことができました。
「洗いの匠」の職人の腕と、使用している特殊しみ抜き剤で功を奏しました。

100%ではありませんが、ほとんど目立たなくなったので、柄足しはせず、色補正で地色を整え納品いたしました。

このように、他店様で断られたお着物もお直しできる場合がございます。
諦める前に、もう一度、お着物を診断されてみてはいかがですか。
着物産地の十日町にしかない技が「洗いの匠」にはございます。

着物お手入れの洗いの匠