今回の事例は、お祝着のしみのお直しになります。
しみ抜きで送られてくる祝着のしみは、ほとんどが20年以上前についた古いしみです。
古いしみは、タンパク系の汚れであったり、生地の変色を起こしていたりと、簡単にはしみ抜きができません。
また、しみ抜きができたとしても、箇所が多く加工代が高額になり、お勧めできないケースもあります。
お見積もりでは、その点をふまえ、加工内容をお伝えしております。
今回はしみ抜きでのお直しが難しい症状でしたが、特殊加工でのお直しが可能でした。
お客様にはそのように提案いたしました。
衿元になりますが、きつく変色しみがあります。
しみ抜きをしてもだいぶ残るので、顔料を使用してしみを隠します。
顔料とは絵具のようなもので、お着物の柄にもよく使われています。
着物の地色と同じ色を顔料でつくり、それをしみのうえに塗っていきます。
しみは綺麗に隠れ、見えなくなりました。
間近で見なければ、加工をしたことも分からないほどの仕上がりです。