祝着への摺り込み紋のレポートに続き、今回は染め抜き紋の加工工程をレポート致します。
染め抜き紋は、「染め抜き」と言うとおり、地色を抜いて紋を入れます。
色無地や付下げなどは、黒留袖や喪服と違い白い円(石持ち)がなく紋を入れる為に白地を作らなければなりません。
画像は、着物の地色を抜くための抜染剤を作っています。
入れる家紋の輪郭を型取ったシートを着物にのせ、抜染剤を塗ります。
蒸気で蒸して抜染剤の効果を高めます。
地色が白く抜けてきていますね。
地色は綺麗に抜けました。
これから、白地の部分に家紋を描きます。
物によっては地色がうまく抜けず、綺麗な白地ができない場合があります。
そのため、染め抜き紋の依頼を受けたら、まず色が抜けるか試験をします。
もし地色が綺麗に抜けない場合は、できる限りの抜染をして、生地に白い下地を塗って家紋を入れます。
当店では「胡粉仕上げ」と呼んでいます。
胡粉仕上げでも染め抜き紋に違いはありません。
紋を描いています。
着物の生地は紙のように真っ平らでないため、線を描くのが大変難しいです。
地色が余計に抜けているので、仕上げに地色と同じ色を作って色挿しもします。
「下がり藤」の染め抜き紋ができあがりました。
綺麗に紋が入っていますね。
写真は日向紋ですが、様々なタイプの家紋をお入れできます。
当店では、染め抜き一つ紋が 9,020円(税込)になります。
紋帳にない特殊な家紋もお入れすることができます。
家紋が必要なお着物がございましたら、是非「洗いの匠」へお任せください。